冬コミの原稿をやっていたんだけど、煮詰まったので以前買ったまま積んでいた
【四月は君の嘘】
を最終巻まで一気に読了してきますた・・・。
3巻から9巻まで怒涛の読み込み
ちょっとしたキャラの一喜一憂に感化され、自分も自然と笑いがこぼれ、恋に悩み、青春にあがき、夢に苦しむ。
音楽という絵で表現するにはあまりにも難解な題材をここまで高次元で、尚且つ感情に至るまでを繊細に描きだすことが出来るのかとただただ呆然としている。今の自分には到底臨むことのできない”漫画”という媒体の頂上だ。
視線が走らされる
紙面から音が伝わってくる
会場の客席から沸き起こる歓声の中に自分も立っているような錯覚
面白い漫画というのはコマ一つ一つをまじまじと見ないのだ。
この漫画を読んで、まざまざと思い知らされた。
読み返せばどのコマも精密に書き込まれた美しい絵が並んでいる。しかし物語が、台詞が、好奇心が、それらに目を留める事を許さない。
怒涛の展開に心は躍り、読者は続けざまに次のコマへと目を移らされる。
聞こえるはずの無い音が、伝える事の難しい登場人物の気持ちが、まるで現実に存在しあたかも自分自身が直接聞いたかのように、関係を持ち会話をして心を通わせた本物の友人のように、読んでいる自分の心に感情を植え付けてくる。
素晴らしいの一言につきる漫画だ
決して命懸けの戦いをしているわけでもないのに、読んでいるこちらは終始息を飲み手に汗を握っている。淡い恋心を抱く女の子の背中を押したくなる。馬鹿なことを言うんじゃない、と主人公を説得したくなる。
素敵な漫画を読むことは本当に刺激になる。
誰かに自分の思いを伝える作品を自分も描きたいと強く願う。
誰かの心に火をつける種火になりたいと渇望する。
しかし同時に自分の不甲斐なさに絶望・失望する。
今の俺はただただ綺麗な漫画を描こうとしているだけだ。
絵を練習し、イラストを描き、可愛らしいキャラクターを愛でているだけ。
読み手を圧倒する力が、気迫が、表現力が、気持ちが、脚本が、絶対的に不足している。
邁進せねば。
表現者として。
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